【名盤紹介】『Whisper Supremacy / Cryptopsy』超絶技巧テクニカル&暴虐ブルータル・デスメタル

Whisper Supremacy
アーティスト:Cryptopsy
ジャンル:デスメタル
1998年
【収録曲】
- Emaciate
- Cold Hate, Warm Blood
- Loathe
- White Worms
- Flame To The Surface
- Depths You’ve Fallen
- Faceless Unknown
- Serpent’s Coil
カナダ出身のテクニカルデスメタル・バンド、クリプトプシーの3rdアルバム。
メンバーチェンジが多い事で有名な彼らですが、前作までヴォーカルを務めていたロード・ワームが脱退し、本作ではマイク・ディソルボが担当しています。クリプトプシーと言えばロード・ワーム、というイメージを持つ方も多いほど強烈な個性を発揮していた前作までと比べると、マイクのヴォーカルは比較的オーソドックスなデスヴォイスではありますが、非常に複雑な演奏にもしっかりかみ合いタイトい歌いこなす技術と、そのパワフルな歌声でバンドに力強さを与えています。
音楽性はと言うと相変わらず変態的なほどに強烈で、恐ろしいほど複雑で凄まじい音数に飲み込まれます。アルバムのハイライトは(1)「Emaciate」と(2)「Cold Hate, Warm Blood」でしょうか。(1)はアルバム冒頭にふさわしく最高にブルータルなキラーチューン。静かなイントロにマイクの囁きからの音の爆発、一瞬にしてノックアウトです。複雑な演奏の中にあるわかりやすいリフや休符が気持ちよく、パワフルな楽曲です。(2)ではジャズにルートを持つフロ・モーニエの影響か、ジャズ調のイントロからの極悪デスメタルへの急転直下。転調しまくりの複雑な曲構成に凄まじい音の暴力で畳みかけておきながらも、どこかメロディアスで聴きやすい。本作における彼らの音楽性とその魅力を凝縮したような一曲ではないでしょうか。
アルバムを通して暴力的で凄まじい音楽性でありながら、陰湿な雰囲気は少なくカラッとした印象なのと、メロディアスなギターソロや非常に複雑な演奏ではありながら意外とストレートでわかりやすい音楽性は聴きやすさにつながっており、デスメタル入門としても推せる一枚だと思います。
エクストリームメタルの醍醐味である音の洪水、音の暴力を遺憾なく発揮し、これでもかと言う程味わえる傑作です。是非とも一聴してみて下さい。
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