【名盤紹介】Master Of The Rings / Helloween

Master Of The Rings
アーティスト：Helloween
ジャンル：パワーメタル
1994年

ドイツ出身の大御所ヘヴィメタルバンド、ハロウィンの6thアルバム。

ヴォーカルはマイケル・キスクに代わりアンディ・デリスが、ドラムにはインゴ・シュヴィヒテンバーグに代わりウリ・カッシュが加入し制作。音楽性の面で迷走し人気が低迷していた中、本作では『Keeper〜』路線のパワーメタルに回帰し見事に復活を果たします。

アンディ・デリスのポップセンスとウリ・カッシュの独特のリズム感が加わり、キャッチーなメロディと疾走感溢れるハロウィン節が化学変化を起こし生まれた名作。（2）「Sole Survivor」から（3）「Where The Rain Grows」、（4）「Why?」への流れは素晴らしく、力強さ、スピード感、キャッチーさとどれをとっても最高で、まさしくハロウィン復活を告げるにふさわしい楽曲陣です。（4）での哀愁漂う素晴らしいメロディにはアンディ加入の影響力を感じます。

ゲームの効果音を使用し遊び心をみせつつもヴァイカートが美しくも哀しいメロディセンスを発揮する名曲（7）「The Game Is On」。ヴァイカートのメロディとアンディの歌声が化学変化を起こし、独特の哀愁を感じる（8）「Secret Alibi」。ジャジーなシャッフルのリズムが心地よく、ノリのいい楽曲（9）「Take Me Home」など、後半にかけても高クオリティな楽曲が並び、隙のない布陣に唸らされます。

メンバー間のいざこざや音楽性の迷走によって苦しい時期を過ごしたハロウィンが「復活」を掲げ放つ渾身の一作。是非とも体感してみて下さい。