【名盤紹介】『Black Metal / Venom』エクストリームメタルの原点、邪悪に満ちた最凶のサウンド

Black Metal
アーティスト：Venom
ジャンル：ヘヴィメタル
　　　　　NWOBHM
1982年

イングランド出身のヘヴィメタル・バンド、ヴェノムの2ndアルバム。

ヴェノムは、1980年代のNWOBHM期に台頭したグループの一つで、スラッシュメタル、ブラックメタル、デスメタルなどを包括する「エクストリーム・メタル」の分野において、その音楽性・世界観の基礎を創り上げた始祖的な存在として知られています。

音質の悪さや、決して上手いとは言えない演奏やヴォーカルの技術。当時おそらく、これが名盤と呼ばれる日がこようとは誰も思わなかったであろう本作。ですが、そこに込められた初期衝動で突っ走るだけの勢いや、稚拙な演奏やサウンドだからこそ生まれる恐怖感を煽るような音楽性は、NWOBHM勢の中でも異質を放っており、その個性は飛び抜けています。そしてその個性は、後のエクストリームメタルの原点、直接的なルーツであることは間違いなく、ジャンルとしての”ブラックメタル”が本作にちなんで名付けられたという点からも、本作の影響力、歴史的価値は言うまでもありません。

小難しいことなど頭から捨て去り、その衝動に乗っかって爆音で頭を振る。そしてこの”汚い音楽”に内包された邪悪なエネルギーと、あらゆるバンドが衝撃を受けたであろう凄まじい影響力を感じ取ってみてください。