【新譜紹介】『Diabolical / Destruction』マイク脱退の衝撃を乗り越えた新生デストラクションが放つ、最高のスラッシュサウンド
Diabolical
アーティスト:Destruction
ジャンル:スラッシュメタル
2022年
【収録曲】
- Under The Spell
- Diabolical
- No Faith In Humanity
- Repent you Sins
- Hope Dies Last
- The Last Of A Dying Breed
- State Of Apathy
- Tormented Soul
- Servant Of The Beast
- The Lonely Wolf
- Ghost From The Past
- Whorefication
- City Baby Attacked By Rats
スラッシュメタル創成期から活躍し、ブラックメタルやデスメタル含め、エクストリームメタルの発展に大きく貢献。ジャーマンスラッシュを代表するベテランバンド、デストラクションの14thアルバム。
昨年2021年に、デストラクションファンの間に衝撃の走る発表がありました。創設メンバーの一人であり、38年間リフメイカーとしてバンドを支えてきたギタリスト、マイク・ジフリンガーが脱退したのです。マイクの奏でる独創的で変態的なギタープレイは、デストラクションのサウンドを構成する非常に重要な要素でした。予測不可能な変幻自在のリフワークによる中毒性。それを失った彼らのサウンドとは果たしていかなるものなのか...。
しかし、そんな刹那の不安は、エネルギッシュで破壊的な新生デストラクションの最高のサウンドがぶっ飛ばしてくれました。本作において新ギタリストとしてプレイしているのは、プロデューサーやエンジニアとしても名を馳せ、デストラクションメンバーとも親交の深いマーティン・フュリア氏。テクニック十分で、ギタリストとしても申し分ない存在であり、さらに、デストラクションのメンバーとの信頼関係をすでに構築済みであった彼の加入は見事にハマり、マイク脱退の衝撃からわずかな期間にもかかわらず素晴らしい作品の発表に至りました。
シュミーアのつんざくような絶叫から始まり、洪水のように押し寄せる怒涛のスラッシュサウンド。エネルギッシュで破壊的で狂気的なそのサウンドは、まぎれもなくデストラクションそのものであり、我々ファンを安心させると同時に、最高の熱狂の渦へと誘ってくれます。
シュミーア曰く、マイクの脱退は全くの突然で、その心情や脱退理由は未だに分かりかねるとのこと。しかし、それが彼の決めたことであるならば、無理強いはできない。大切な友人の一人として、マイクの幸せを願う、そう思っているようです。そして、この素晴らしいアルバムの発表はシュミーア、デストラクションからマイクへの力強いメッセージであり、新生デストラクションとして前進し続けるという意思表示とも言えるのではないでしょうか。
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