【新譜紹介】『Deceivers / Arch Enemy』アリッサ・ホワイトの表現力が光る傑作

Deceivers
アーティスト:Arch Enemy
ジャンル:メロディックデスメタル
2022年
【収録曲】
- Handshake With Hell
- Deceiver, Deceiver
- In The Eye Of The Storm
- The Watcher
- Poisoned Arrow
- Sunset Over The Empire
- House Of Mirrors
- Spreading Black Wings
- Mourning Star
- One Last Time
- Exiled From Earth
スウェーデン出身のメロディックデスメタルバンド、アーチエネミーの11thアルバム。北欧の実力派ギタリスト、マイケル・アモット等が在籍し、デスヴォイスの女性ヴォーカリストを擁する事でも知られるアーチエネミー。本作においてはアンジェラ・ゴソウの後任として2014年から加入したアリッサ・ホワイトがヴォーカルを務めています。
全体的にメロディアスかつ正統派ヘヴィメタルへの接近を感じる作風で、キャッチーさ、攻撃性ともに申し分ないクオリティです。非常によく練られており一曲毎の完成度が高く、フックの効いた楽曲陣はエクストリームメタルというジャンルにありながら聴きやすさも持ち合わせており、アルバム通して飽きることなく楽しませてくれます。
また、(1)「Handshake With Hell」ではアリッサのクリーンヴォイスにフィーチャーしており、彼女の表現力もありありと体感させてくれます。デスメタル系統のバンドがクリーンヴォイスを使い始めると批判的な意見を聞くことが多いですが、アリッサの力強い歌声は決してアーチエネミーというバンドやその楽曲のイメージを損なうことはなく、主張しすぎない程よい使用具合も相まって丁度よいアクセントとして楽曲に緊張感をもたらしてくれています。
マイケル・アモットを中心とした叙情性あふれるメロディは健在ながらも、メロデスの枠に囚われすぎないスケールの大きさを見せつけてくれる、傑作といって申し分ない一枚でしょう。
コメントを残す