【名盤紹介】『Once Upon the Cross / Deicide』暴虐の限りを尽くす激烈極まりないデスメタル・サウンド
Once Upon the Cross
アーティスト:Deicide
ジャンル:デスメタル
1995年
【収録曲】
- Once upon the Cross
- Christ Denied
- When Satan Rules His World
- Kill the Christian
- Trick or Betrayed
- They Are the Children of the Underworld
- Behind the Light Thou Shall Rise
- To Be Dead
- Confessional Rape
アメリカ、フロリダ州出身のデスメタル・バンド、ディーサイドの3rdアルバム。
バンド名の意味は「神を殺す事」(ラテン語の「神(Deus)」と「殺害(Cide)」の合成語が由来)。アンチクライストや悪魔崇拝を掲げ、歌詞も冒涜的なものばかりである点はブラックメタルとも共通するが、音楽性は真正のデスメタルであり、主にスレイヤーなどのスラッシュメタルから影響を受けているディーサイド。デス、モービッド・エンジェル、オビチュアリーらのフロリダ勢、カンニバル・コープス、サフォケイション、マルヴォレント・クリエイションらニューヨーク勢と共に、1990年代初頭のアメリカデスメタルシーンの発展を支え、世界中のデスメタルバンドに影響を与えました。
本作はファンの多くが初期の代表作として名を上げる一枚。9曲で30分にも満たない収録時間で一気に駆け抜けるスピード感と、重厚さを増したリフ、高速ブラストからヘヴィ・パートまで緩急自在のリズム隊、そして地獄の底から沸き上がるかのようなグレン・ベントンの邪悪なヴォーカルとが一体となり畳みかける暴虐性は圧巻の一言。しかし、それでいてしっかりフックの効いた楽曲陣は飽きることなく聴き続けられ、ややメロディアスさを取り入れたホフマン兄弟によるツインギターも相まってキャッチーさすら感じられるところには、彼らの成熟度とソングライティング能力の高さを垣間見えます。
最凶のキラーチューン(1)「Once upon the Cross」、(4)「Kill the Christian」を筆頭に繰り広げられる、暴虐の限りを尽くす激烈極まりないデスメタル・サウンドの濁流。是非とも体感してください。
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