【名盤紹介】『Cause Of Death / Obituary』緩急織り交ぜた曲展開に中毒性が凄まじい一枚
Cause Of Death
アーティスト:Obituary
ジャンル:デスメタル
1990年
【収録曲】
- Infected
- Body Bag
- Chopped in Half
- Circle of the Tyrants
- Dying
- Find the Arise
- Cause of Death
- Memories Remain
- Turned Inside Out
アメリカ、フロリダ州出身のデスメタル・バンド、オビチュアリーの2ndアルバム。
オビチュアリーは、デス、モービッド・エンジェル、ディーサイドらと共にフロリダを中心に活動を行い、カンニバル・コープス、サフォケイション、マルヴォレント・クリエイションらニューヨーク勢と共に、1990年代初頭のアメリカにおけるデスメタル・シーン創生期を支え、世界中のデスメタル・バンドに影響を与えました。
グルーヴィなミドルパートを基本とした彼らの音楽性は、速さと破壊的なアグレッションに任せた攻撃性を売りにしてきた同世代のデスメタル勢と比べると異質な存在と言えます。重く絡みつくようなミドルパートから急転直下のスラッシーなファストパートになだれ込む展開は痺れます。
また、元デスもギタリストであるジェームズ・マーフィーが参加した唯一のアルバムでもある本作は、彼の持ち味である流麗かつスリリングなギタープレイが遺憾なく発揮され、元々のオビチュアリーが持つ陰鬱でどろどろとした雰囲気と見事に化学変化を起こし、偶発的にも生み出された大傑作と言えるでしょう。
緩急織り交ぜた目まぐるしい曲展開からくるミドルパートとファストパートの対比。そして陰鬱な曲調と流麗なギターソロとの対比。混沌とした展開の中から生まれる唯一無二の音楽性は中毒性が凄まじい。速さだけがデスメタルではない、と教えてくれる一枚です。
ちなみに、このアルバムのジャケットは元々セパルトゥラの「Beneath The Remains」に使用する予定だったものが、スタッフのミスでこのアルバムに使用されてしまった、という小ネタもあります。
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