【名盤紹介】『Christ Illusion / Slayer』オリジナルメンバーが集い、原点回帰を意識した傑作
Christ Illusion
アーティスト:Slayer
ジャンル:スラッシュメタル
2006年
【収録曲】
- Flesh Storm
- Catalyst
- Skeleton Christ
- Eyes Of The Insane
- Jihad
- Consfearacy
- Catatonic
- Black Serenade
- Cult
- Supremist
BIG4の一角、スラッシュメタル界の帝王スレイヤーによる9thアルバム。デイブ・ロンバード(Ds)が復帰し、スタジオアルバムとしては、5th「Seasons In The Abyss」以来のオリジナルメンバーにより録音されたアルバムです。
音楽性としても原点回帰を意識したような内容となっており、3rd~5th当たりの雰囲気と前作「God Hates Us All」に見られるようなハードコアに寄せてきていた方向性を巧く融合し、持ち味であるおどろ恐ろしさとパワフルさを遺憾なく発揮させています。そしてやはり復帰したデイブの影響は大きく、嵐の様な凄まじいドラミングの中に唸らされるようなかっこいいオカズをしっかりと決めてくれ、ドラムだけに注目しても楽しめるような素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
トム・アラヤが発言していたとされる”過去最速”、とまでは流石にいかなくとも、直近の数作品の中ではかなり速い曲も多く含まれ、また、ミドルテンポの曲もバランスよく収録されていることからアルバム全体を通して高クオリティであり、作風としては名盤「Seasons In The Abyss」を彷彿とさせます。
冒頭「Flesh Storm」から爆速でぶちかましてくれます。テンションMAXのパワフルな楽曲でありながら、サビではミドルテンポになり不穏な雰囲気を醸し出すところもフックが効いていて印象的です。緩急のついた素晴らしい楽曲。
トリッキーなイントロから始まる(5)「Jihad」もライブでよく演奏されていた印象のある定番曲です。怪しげでグルーヴィなリフが癖になります。
そして個人的ハイライトはやはり(9)「Cult」です。不穏なイントロから始まり一気にスピードアップして駆け抜ける。これぞスレイヤー!というまさにキラーチューンです。殺傷力抜群のギターリフとドラム、緩急織り交ぜたおどろ恐ろしさと疾走感を併せ持つ曲構成は完璧としか言いようがありません。キャリアを通してもトップクラスの名曲でしょう。
帝王の名に恥じない最凶の名盤です。
コメントを残す